国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
豊満 翔
(鹿児島大学)
会議名
The 37th Asia-Pacific Microwave Conference (APMC 2025)
期日
2025年12月2日~5日
開催地
ICC Jeju, Jeju, Korea

1. 国際会議の概要

Asia-Pacific Microwave Conference (APMC) は、アジア太平洋地域におけるマイクロ波・ミリ波・サブテラヘルツ・テラヘルツ波技術に関する研究者および学会を代表する国際会議であり、同分野において最大級の学術集会の一つである。APMCはIEEE Microwave Theory and Technology Society (IEEE MTT-S) の技術協賛のもとで開催されており、マイクロ波工学分野における国際的な研究交流の中核的な役割を担っている。

本会議では、RF回路およびRFIC、ミリ波・サブテラヘルツ帯デバイス、高性能電力増幅器、アンテナおよびアレーアンテナ、メタサーフェス、電磁界解析および計測技術、EMC・ノイズ抑制、レーダおよびセンシング技術、無線通信システム(5G/6G)、ならびにAI・機械学習を活用した電磁界設計・信号処理など、基礎から応用に至る極めて広範な研究分野が網羅されている点が特徴である。さらに、医療応用や宇宙・防衛分野、産業応用に関するセッションも設けられており、マイクロ波技術の社会実装を見据えた研究発表が活発に行われている。

また、一般講演に加えて、特別セッション、チュートリアル講演、若手研究者向けセッション、産業界によるワークショップや企業展示も併催されており、最新の研究動向の共有のみならず、産学連携の促進や国際的な人的ネットワーク構築の場としても重要な機会を提供している。

APMCは毎年、アジア太平洋地域の各国・地域で持ち回り開催されており、同地域におけるマイクロ波工学および関連技術の発展を牽引する中核的な国際会議として位置付けられている。

2. 研究テーマと討論内容

今回私は、学会発表においてポスター発表を行った。
「Two Types of Composite T-/π-Type Rhombic Unit Cell Structures for Topological Waveguides」という題目で、近年注目されているトポロジカル導波路に関する設計手法について発表した。

トポロジカル導波路は、トポロジーの異なる2種類の単位セル構造を周期的に配置し、それらの境界に沿って波が伝搬する導波路である。本研究では、1次元回路においてトポロジーが異なることが知られているT型回路およびπ型回路に着目し、これらを2次元回路構造へ拡張することで、トポロジカル導波路を構成する2種類の単位セル構造を設計した。

提案した単位セル構造について、COMSOL Multiphysicsを用いた有限要素法による固有値解析を行い、両構造の周波数分散特性およびバンドギャップが一致していることを確認した。さらに、これらの単位セルを周期的に配置することでトポロジカル導波路を構成し、全波電磁界解析によりマイクロ波帯における動作を検証した。その結果、導波路に沿って電界が局在することが確認され、提案手法の有効性が示された。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

昨年のAPMCでは英語による発表および質疑応答を経験し、自身の英語力、特に専門的な内容を即座に英語で説明する難しさを強く実感した。今回の発表に向けて、これまで意識的に英語学習の機会を設け、主にリスニングとスピーキングを中心に取り組んできた。その成果として、ポスターセッションでは自身の研究内容や考えを英語で伝え、相手の質問に対しても概ね対応できたと感じている。

また、アジアを中心とした海外の研究者や学生と直接議論する機会を得ることができ、多角的な視点から研究に関する質問や意見を受けた。これにより、自身では気づかなかった研究の課題や今後の発展の可能性について新たな知見を得ることができ、今後の研究を進める上で非常に有意義な経験となった。

本国際会議への参加を通じて、英語での専門的なコミュニケーション能力の重要性を改めて認識するとともに、国際的な研究交流の場に積極的に参加することの意義を実感した。

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