The 44th International Congress on Applications of Lasers & Electro-Optics (ICALEO 2025) はレーザー加工の基礎と応用に関する世界最大級の国際会議の1つであり、2025年10月13日から10月16日にアメリカ合衆国フロリダ州オーランドのCaribe Royale Orlandoで開催された。ICALEO 2025は、BEAM/MACRO (Laser Beam-Shaping and Macro-Processing)、MICRO (Laser Materials Microprocessing)、LAM (Laser Additive Manufacturing)、AIMM (AI/Modeling/Monitoring) の4つの主要なテーマで発表が行われた。口頭発表件数はBEAM/MACROが26件、MICROが30件、LAMが20件、AIMMが24件、基調講演が4件の計104件であった。私は2日目に開催されたポスターセッションにて発表を行った。
次回のICLEOは2026年10月5日から10月8日にコロラド州デンバーで開催予定である。


私は、“All-Fiber Control-Free Coherent Beam Combining Amplification of Noise-Like Pulse Toward High Power Supercontinuum Light Source”と題してポスター発表を行った。

コヒーレント加算は単一のレーザー光を複数の光路に分波した後、一本のファイバに合波し、増幅する手法である。従来の方法では加算時において、位相と偏波の制御が必要であった。そこで、我々は位相と偏波が受動的に一致する位相整合コヒーレント加算光学系を開発した。可干渉性の低いパルスレーザーとしてノイズライクパルスがある。ノイズライクパルスは数nsの包絡線内部に無数の短パルスを含むマルチパルスであり、高非線形ファイバに入射することにより、高い平坦性を有する超帯域光の生成用途などに用いられる。本研究では、位相整合コヒーレント加算光学系を用いたノイズライクパルスの増幅に加え、増幅後のパルスを高非線形ファイバに入射し超帯域光の生成を行った。結果として、ノイズライクパルスの増幅では合波効率98%を超える高安定な合波に成功し、生成した超広帯域光のスペクトル波長1,310nmにおいて24dB以上の出力増加が確認できた。
発表では、コヒーレント加算光学系における光の伝搬経路や産業分野への応用などについて質問を受け、有意義な時間を過ごした。
私は、今回の国際会議が初めての英語による発表であったため、英語が伝わるか非常に不安であったが多くの参加者と交流することができた。
ポスター発表では、質問を聞き返す場面が多々あり、自身の英語力の低さを痛感した。しかし、図やジェスチャーを用いた説明を行うことにより理解を得ることができた。より深い議論を交わすために英語力の向上が不可欠であることを実感した。
今後は、国際会議参加の経験を生かし、研究を行うとともに英語力の向上を行い、再度国際学会で発表の機会が得られた際には、より活発な議論を交わせるように努めたい。
最後に、今回の国際学会への参加にあたり、多大なるご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。
