国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和7年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
前田 智弘
(青山学院大学 理工学部 電気電子工学科)
会議名
IEEE Photonics Conference
期日
2025年11月9日~13日
開催地
Resorts World Convention Centre, Singapore

1. 国際会議の概要

IEEE Photonics Conferenceは2025年11月9日から13日にかけて、セントーサ島(シンガポール)で開催された国際会議である。主催は米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers, IEEE)のPhotonics Societyで、光学に関する基礎研究から応用まで幅広い研究発表がなされた。本会議は毎年11月ごろに開催されており、欧州・アジア・北米など様々な地域の持ち回りで開催されている。次回は2026年11月8日から12日にかけて、デンバー(米国)で開催される予定である。

発表件数は口頭・ポスターあわせて400件程度で、うち約100件は招待講演とチュートリアル講演であった。トピックとしては、光デバイスやバイオフォトニクス、量子フォトニクスなど伝統的なものから、光集積回路や光AI、中空コア光ファイバなどといった最先端のトレンドが含まれていた。

会場ではウェルカムレセプションやバンケット以外にも、セッション間の休憩時間に軽食が提供され、参加者間の盛んな交流が促されていた。


セントーサ島のビーチ

休憩時間の様子

2. 研究テーマと討論内容


口頭発表で使用した会議室

今回の発表では、位相シフトディジタルホログラフィの高速かつ安定的な実現に向けて提案している新規位相シフト法について、ホログラム間の位相シフト量を推定する実験の結果を報告した。提案方式では、特殊な構造の回折格子を利用することで位相シフトディジタルホログラフィの計算に必要となる複数の位相シフト干渉縞を一括取得することができる。光波に予め付与しておいたマーカを利用することで、干渉縞に与えられる位相シフト量を推定可能であることを示した。

発表したセッションは「Propagation, Spectroscopy, and Imaging IV - TuG4: Advances in Quantitative Phase Imaging and Interferometric Techniques」で、質疑応答を含めて15分間の口頭発表であった。質疑では光学系の調整誤差が性能に与える影響に関する質問を受けた。質問者の意図は解することができたが、英語での表現に苦慮し、十分な回答をすることができなかったことが悔やまれた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

会場のResorts World Convention Centreは比較的コンパクトな会議場で、ほぼすべての会議室が一本の廊下に面して配置されていた。そのため、様々なセッションの会議室に気軽に出入りすることができ、光集積回路や空間光通信など、これまではあまり見てこなかったような領域の研究発表を聴講することができた。 会場では頻繁にコーヒーブレイクが設けられており、軽食をつまみながら日本人参加者や海外の研究者と交流できたことも大きな収穫であった。しかし、発表での質疑やコーヒーブレイク中の交流では、自身の英語力の低さから表現に苦慮することも多く、英語での対応力不足を痛感した。今後は、研究活動だけでなく英会話にも力を入れ、国際交流の場でより深い議論を交わすことができるように励みたい。

最後に、本会議への参加にあたり、貴財団より多大なるご支援を賜りましたこと、深く感謝申し上げます。

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