アメリカのグアム島にて、2025年11月3日~11月6日の4日間にわたって開催された「2nd JSME International Conference on Materials & Processing」に参加しました。
本学会ICM&Pは、機械系の幅広い領域をカバーする会議であり、機械材料・材料加工・特性評価の3領域に大別され、数多くのセッションによりこれらの研究成果の発表が行われる会議となっています。
アジア諸国をはじめ、様々な国から研究者が参加しており、日本からの参加者も多く見受けられました。
会期中は、炭素材料、セラミックス材料、流体シミュレーション、表面コーティング技術、疲労試験、溶接技術など様々な分野の講演を見聞することができました。

本会議にて、「Sputtering-Annealing Hybrid Process for Ultra-High-Speed Synthesis of 2D material and van der Waals Heterostructure」という講演題目で口頭発表を行いました。二次元材料の高速合成に向けた、新しい合成方法の提案という内容の発表をしました。
二次元材料は、原子数層分の厚さを有する極めて薄いシート状材料です。そしてこれは、半導体やトランジスタ、量子センサなどへの応用が期待されており、量子関連技術の更なる発展が望まれる材料として注目されています。そのため、いかにして信頼性の高い二次元材料を安定的に得るかという、作製技術の進歩は量子関連技術の革新にとって重要です。
本会議では、固体前駆体をプラズマ化させ、これを金属基板に物理的に蒸着させることで二次元材料を合成する技術について発表しました。
本研究で使用した合成法は、材料の成長が金属基板の触媒効果と熱処理による熱エネルギーのハイブリッドによって進行することが特徴です。そのため、シンプルで普遍的な合成法として提案できるものであり、得られる二次元材料の均一性や層数を容易に制御できる可能性について議論しました。
また、パラメータとしたそれぞれの合成条件が合成される材料に与える影響について検討し、どのような条件下で合成を行うことが、より信頼性の高い材料を得ることを可能にするのか議論しました。
本国際会議に参加することで、自身の研究に対する質問・コメントをいただき、意見交換を行うことができ、今後の研究活動に繋げられるような知見を持ち帰ることができました。また、他者の発表を聴講することで、機械系の様々な分野における研究の潮流を学ぶことができました。
会議を通して、多くの研究者とコミュニケーションを取ることができ、自身の研究の特徴について改めて説明したり、自身と異なる研究テーマのユニークな点に触れることができたりと、充実した時間を過ごすことができました。また、研究以外の会話も行うことができ、初めて出会った研究者との親睦を深めることができました。
末筆になりますが、この度海外渡航に際し多大なるご支援を賜りました一般財団法人丸文財団に、心より感謝申し上げます。
本助成を通じて、海外の研究者との交流や最先端の研究の見聞を行う貴重な機会を得ることができました。
これらの経験は、私の学術的視野を大きく広げるとともに、今後の研究活動をより国際的かつ発展的に展開していく上での大きな糧となりました。
改めて、若手研究者の挑戦を温かく支援してくださる丸文財団のご厚意に深く御礼申し上げます。
