国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和5年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
石 浩傑
(茨城大学 理工学研究科 電気電子システム工学専攻)
会議名
2023 IEEE Transportation Electrification Conference and Expo, Asia-Pacific(ITEC-AP 2023)
期日
2023年11月28日~12月1日
開催地
Chiang Mai, Thailand

1. 国際会議の概要

2023 IEEE Transportation Electrification Conference and Expo, Asia-Pacific(ITEC-AP 2023)はIEEEが主催する国際会議であり、電気自動車やバッテリ、系統システムなどに関する研究について世界中の研究者が発表および議論を行う国際会議である。パワーエレクトロニクスやモータをはじめとした幅広い分野の発表を聴講することができた。本会議は毎年開催されており、今年はタイのチェンマイで11月28日~12月1日の計4日間開催され、122件のオーラル発表、47件のポスター発表が行われた。来年は中国の西安で開催が予定されている。


会場のポスター

来年の開催地:中国・西安

2. 研究テーマと討論内容

私は「Energy Storage Systems」というセッションで「Interleaved multi-port converter with single inductor for photovoltaic energy storage systems.」というタイトルで発表を行った。


発表中の様子

近年、脱炭素化を目的に太陽光発電(PV: Photovoltaic)に代表される再生可能エネルギーに大きな注目が集まっている。PVシステムの欠点として、環境の変化によって発電量が不安定となる。これに対して、バッテリを使用してパネルの発電量を補完する方法が一般的でしたが、各ポートを制御するために複数のコンバータが必要となるため、システムが複雑化と大型化が課題となる。

そこで本研究では、PVシステムの簡素化と小型化を目指し、複数のコンバータを1台に統合したマルチポートコンバータ(MPC)を提案する。提案手法は、パネル用単方向コンバータとバッテリ用双方向コンバータをカスケード接続することで、インダクタが1つのみの構成となるため、回路の簡素化を達成する。また、提案回路はインタリーブ動作によりインダクタの印加電圧を低減し、インダクタの小型化を実現する。本会議では、シミュレーションにて、負荷電力の変動に応じてシステムの動作モードが切替わることおよび実機検証によって詳細な動作波形の結果を報告した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

私は今回が初めての海外会議への参加となり、自分にとって非常に貴重な経験だった。

会議中、世界中の様々な国が電動化に注力しており、将来の電動化時代の到来に対する期待が企業の講演会で次第に高まっていく様子を感じた。新しい技術が近い未来、私たちの日常生活を便利にすることを期待している。


会議後の夕食会

また、これは私が英語での研究発表と交流を行う初めての経験でもあり、自分の英語力の弱さを痛感した。日本国内での準備も多く行ったものの、口頭での表現において欧米の他の国々と比べて大きな差があることを実感した。この貴重な経験を通じて、英語勉強に対するモチベーションを高めていきたいと思った。

自身の発表が終わった後、同年代の研究者や様々な分野の教授たちと交流を深め、視野を広げることができました。さらに、これらの対話を通じて、以前の考え方や価値観が変わり続けていることを実感した。

末筆ながら、本国際会議への参加を支援してくださった貴団体に心より感謝申し上げます。

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