国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和5年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
河口 聖哉
(山口大学 大学院創成科学研究科 電気電子情報系専攻)
会議名
25th IEEE/ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing (SNPD2023-Winter)
期日
2023年12月6日~8日
開催地
台湾・台中、国立勤益科技大学 (National Chin-Yi University of Technology)

1. 国際会議の概要

ソフトウェアエンジニアリング、人工知能、ネットワーキング、並列・分散コンピューティングに関する国際会議SNPD2023-Winterは、研究者、科学者、エンジニア、業界関係者、学生が集まり、新しいアイディア、研究成果を共有する国際的なフォーラムです。SNPD2023の目的は主要な技術を異なる分野間で相互融合を促進することを目的としています。

今回、台湾の台中にあるNational Chin-Yi University of Technologyで私は口頭発表を行いました。その結果、国内外の学会参加者から研究に関する貴重な意見をいただき、新たな知見を得ることができました。特に、Sun-Yuan Hsieh氏のKeynoteスピーチでは、世界中の人間生活と経済発展に変化をもたらしている人工知能について、産業、人材育成、大学研究の観点から人工知能の発展について議論されました。さらに、ディープラーニング、アルゴリズム、機械学種、データ探索など幅広い人工知能の技術についても紹介されました。私の研究においても今後、人工知能のひとつである機械学習を用いることを検討していたため、非常に参考になりました。国際会議の場で、英語で発表することによって英語力、およびコミュニケーション能力の向上の機会を得ることができたので、今後の研究活動において積極的に英語の論文・周辺研究の調査をして国際的な観点から研究を進めていきたいと考えています。

2. 研究テーマと討論内容

本研究は、鉄道内の構造物の位置を特定するために、2D-LiDARから得られる反射強度を用いた手法を提案しました。発表内容は、レーザ光の入射角の変化に適応可能な材質判別手法です。この手法では、各材質の入射角による反射強度の変化を表した近似式を作成します。2D-LiDARの距離情報から入射角を算出し、これを作成した近似式に代入することで得られる反射強度と、実際に測定で得られた反射強度とを比較することで材質判別を行います。提案手法による材質判別の精度は、判別率や算出した入射角の真値との誤差を基に評価しました。検証実験により、特定の条件下において判別精度は90%以上であり、一部の材質に対しては特に高精度で判別可能であることが確認できました。

質疑応答では、鉄道内の構造物について具体的にどのようなものに対応していくのかと現在、平面のものを測定対象としているが曲面について対応させたいのかを質問されました。回答として、鉄道内の構造物は具体的にトンネルや駅などと答え、曲面については今後対応できるシステムを開発したい旨を伝えました。

発表後には、インドネシアの学生と交流し、私の所属している研究室で使っているどのような機械学習について討論しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

この度は、一般財団法人丸文財団様の助成を受けられたことで、国際会議への参加・発表という貴重な機会をいただくことができました。心より感謝申し上げます。

国際会議の場では、英語に対する不安がありましたが、これを克服する貴重な経験をしました。発表の際の質疑応答では、聞き取った内容を確認するために質問者に積極的に問いを返し、その回答を通じて相手の意図をより深く理解することができました。また、発表後の交流の場では、インドネシアからの学生との交流する場面があり、英語でのコミュニケーションをとることができました。そこでは、機械学習や深層学習についてどのようなものを私の所属する研究室で使っているかやインドネシアの学生が日本の漫画が好きだということだったので、漫画について話したりしました。このようなカジュアルな会話を通じて、文化的な交流を深めることができたのは、大変刺激的でした。

さらに、この会議が台湾で開催されたことも、私にとっては大きな価値がありました。移動中などに台湾の豊かな文化に触れ、その歴史や食文化、人々の暮らしを間近で体験することができました。

以上のように、この国際会議の参加は、私の研究だけでなく、コミュニケーション能力、国際交流、文化理解の面で、大きな成果をもたらしました。今後もこの経験を活かし、研究活動に専念したいです。改めて、この機会を提供していただき、心から感謝申し上げます。

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