国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和4年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
山本 優樹 (宇都宮大学 地域創生科学研究科 工農総合科学専攻)
会議名
SPIE Photonics West 2023
≪OPTO≫ Ultra-High-Definition Imaging Systems VI
期日
2023年1月28日~2月2日
開催地
The Moscone Center, San Francisco, California, USA

1. 国際会議の概要

SPIE Photonics Westは、アメリカ・サンフランシスコで毎年 開催される光学に関する国際会議であり、主にBIOS、LASE、OPTO、Quantum(バイオフォトニクス、レーザー技術、光エレクトロニクス、量子光学)の分野に分かれている。4,000件以上の最新研究の発表が繰り広げられ、他にも世界各国の光学に関連する多くの企業ブースが設けられていた。また、同会場でAR/VR/MR関連の展示会と研究報告会も開催されていた。私はOPTOの “Ultra-High-Definition Imaging Systems VI” 内の “UHD Display and Images II” というカテゴリのオーラルセッションにて発表を行った。


会場内1

会場内2

2. 研究テーマと討論内容

発表題目
“High-definition imaging by super-resolution holographic optical microscopy”


オーラルセッションにて発表の様子

光学顕微鏡は自然環境下で生きている生物を観察することができるが、可視光を用いて観察しているため理論上200 nm程度の生物までしか観察することができない。より小さいものを見るために理論上の回折限界を超える超解像化を目指して私たちは超解像顕微鏡の作製を検討している。

提案手法として、体積ホログラフィック光学素子と呼ばれる厚みのある感光材料にホログラフィを用いて作製した光学素子がある。これにはいろいろな機能を持たせることができるが、今回私は光源波長未満の距離で独立して回折波を放出することができる機能を光学素子に持たせ作製した。この光学素子によって理論上見ることができなかったナノレベルの生物の観察を可能にすることを本研究の最終目標と置く。

今回の発表ではその光学素子の原理と作製方法、そして光学素子を用いてナノレベルのサブ波長構造を持つテストターゲットを用いた物体観察の結果を報告した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本セッションではUHD(超高解像)に関するテーマで登壇者は発表しており、発表を聞きながら改めて幅広い分野であることを認識することができた。そのため、私の発表に対する質問も、私が触れていない分野からの視点があり大変勉強になった。また、今回初めて英語を用いた発表を行ったが、質疑応答時の回答で苦戦をしてしまったため、今後の機会に活かしていくためにも大変勉強になった。

最後に、多大なるご援助を賜りました貴財団に厚く御礼申し上げます。


サンフランシスコの街並み1

サンフランシスコの街並み2

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