国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和4年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
溝口 貴斗 (大阪大学 大学院基礎工学研究科 物質創成専攻)
会議名
International Conference on Materials For the Millennium (MATCON 2023)
期日
2023年1月12日~14日
開催地
Cochin University of Science and Technology (CUSAT), Kerala, India

1. 国際会議の概要


開式の様子

International Conference on Materials For the Millennium (MATCON 2023)は、世界中のアカデミア・インダストリー両者の間で、最新かつ最先端の研究の革新的なアイデアを交換し、育成することを目的として2年毎に開かれている国際会議であり、今回は7回目の開催であった。Cochin University of Science and Technology (CUSAT)のDepartment of Applied Chemistryが主催し、その学生たちの運営のもと3日間にわたり、20件のInvited Lecture、66件のOral Presentation、40件のPoster PresentationとPlenary Lectureが行われた。

講演の分野は多岐にわたり、バイオからエレクトロニクス、あるいは合成から計算化学、デバイス開発まで非常に幅広い領域の発表を中心として、活発な議論が展開された。

2. 研究テーマと討論内容


ポスター発表風景

本会議では、“ Mesoscopic Motion of Small Particles Driven by Negative Radiation Force Generated through Stimulated Emission”というタイトルでポスター発表を行った。光子の運動量が持つ力(光圧)を利用することで、微小物体を非接触・非侵襲的に操作できる光ピンセットという技術は、ナノサイズの機械設計や生体内の特定の細胞への直接的なアプローチなど、分野に囚われない様々な応用が期待される。私はこの光を用いた微小物体操作の精度向上を目的とした。そこで私は、励起状態分子の光応答の一つである誘導放出に注目し、光によって物体を引っ張る力の発現を試み、従来にはない手法での微粒子のマイクロ運動制御に成功したことを報告した。

様々なバックグラウンドを持つ参加者に討論いただき、原理となる運動制御メカニズムや実験条件はもちろん、質問者の専門領域での将来的な応用可能性などに関する鋭い指摘をいただき、今後の活動に生きるヒントを多く得ることができた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)


Cultural Program後の現地学生との記念写真

私個人としては、(オンラインでない)現地での学会ポスター発表は国内外含めても初めての経験であった。自分の研究に関する議論はもちろん、種々多様な分野の興味深い講演を聴けたことはとても有意義な機会となった。ポスターセッションでは言語・分野の壁を感じつつも粘り強く話すことの重要性を感じたと同時に、他の学生たちの「伝える力」の高さを痛感した。

また、セッション間のTea Break、LunchやDinnerの際には現地の学生たちと交流する機会に恵まれ、研究以外にも今後の進路などに関して話すことで自分自身の視野を広げることができたように思う。
本会議への参加で得た成果や課題を糧にして、自身の研究の発展に向けより一層努力したい。

最後に、この度の学会参加にあたり多大なご支援をいただきました一般財団法人丸文財団に厚く御礼申し上げます。

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