国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和2年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
新村 潔人
(弘前大学 理工学研究科 機能創成科学専攻)
会議名
The 31st Symposium on Fusion Technology (SOFT 2020)
期日
2020年9月21日~25日
開催地
[オンライン開催] (クロアチア、Dubrovnikで開催予定であった)

1. 国際会議の概要

The 31st Symposium on Fusion Technology (SOFT 2020) は欧州の核融合コミュニティが主催する核融合技術・工学に関する国際会議です。会議のトッピクは、発電所のプラントシステムからプラズマ工学、材料工学、社会経済学などの核融合に関しての多岐にわたる分野の議論がされる。

今年は、クロアチアのドゥブロブニクで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、今回はオンラインでの開催となった。
次回開催のSOFT 2022は、今回行われなかったクロアチアのドゥブロブニクにて開催される。

2. 研究テーマと討論内容

今回、“Temperature dependence of isotope separation coefficient by electrodialysis using lithium ion conductor La0.57Li0.29TiO3”、“Energy balance during lithium recovery by electrodialysis using La0.57Li0.29TiO3 electrolyte”という題目でポスター発表を行った。

Temperature dependence of isotope separation coefficient by electrodialysis using lithium ion conductor La0.57Li0.29TiO3の研究内容は、核融合の燃料のトリチウムを生成するのに必要な質量数6(6Li)の同位体濃縮をリチウムイオン伝導体電解質を用いた電気透析によって行っている。今回は、La0.57Li0.29TiO3(LLTO)LLTOを使用した電気透析によって同位体分離係数への、温度の影響を調査した。研究成果として、リチウム同位体分離係数は、低温になるほど増大し、20 ℃で1.08に達したこと、およびその現象の推定される発現原理を報告した。

Energy balance during lithium recovery by electrodialysis using La0.57Li0.29TiO3 electrolyteの研究内容は、電気透析によるリチウム回収技術を研究し、使用済みのリチウムイオン電池や海水から熱核融合炉用燃料であるリチウムを回収している。電気透析によってリチウムを実際に回収するための最大の課題の1つは、エネルギー効率に大きく影響されるコスト削減である。本研究では、1つの電源と電解質表面に2つの電極を備えた一般的な電気透析構成でリチウム固体電解質を使用する場合の、リチウム回収中のエネルギーバランスを調査した。研究成果として、現在研究している条件では二次側の電極の拡散抵抗が一番大きくそこの抵抗を小さくすることによりさらなる高性能化ができることを報告し、その改善方法を提案した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回は、オンライン開催による国際学会であったが、オーラルおよびポスター発表の内容は、時間に関係なく見ることができたため、オフライン開催よりも多くの発表を見ることができ、少しわからない点などをその場で調べることができた。特に、普段は自分の研究テーマに近い発表しか見れていなかったが、ほかの分野の研究についても見れて有意義な会議であった。

最後に、本会議に参加するにあたりご支援いただきました貴財団に心より御礼申し上げます。

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