国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
吉川 創
(信州大学 大学院総合工学系研究科 システム開発工学専攻)
会議名
The 7th Asian-Pacific Congress on Computational Mechanics (APCOM 2019)
期日
2019年12月17日~20日
開催地
Taipei, Taiwan

1. 国際会議の概要

台北101

APCOM (Asian-Pacific Congress on Computational Mechanics) は、APACM (Asian-Pacific Association of Computational Mechanics) がアジア太平洋地域において計算力学に関する活動を促進することを目的として、2001年から3年ごとにアジア太平洋地域の各地で開催している国際会議であり、今回が7回目の開催でした。

APCOMでは、材料モデリング、破壊力学、流体力学、構造力学、最適化問題など、幅広い分野のミニシンポジウムが設けられており、3日間を通して活発な発表・議論が行われました。

国際会議は初日のレセプションから始まり、3日間におよぶ口頭発表のセッションでは、午前のセッション前にプレナリートーク、午後のセッション前にはセミプレナリートークも行われました。また、最終日にはバンケットも行われました。

開催地である台北市は、台湾北部に位置する台湾最大の都市で、経済、政治、文化の中心地です。また、会場のある信義区は台北市の中心からやや南に位置しますが、世界貿易センターや台北101超高層ビルのある国際都市で、台湾における流行の発信地となっています。


発表会場にて

バンケットの様子

2. 研究テーマと討論内容

私は、“Molecular Dynamics Simulation on Defect Nucleation from Pre-existing I1 Stacking Fault in Magnesium”という題目で口頭発表を行いました。

マグネシウム(Mg)は実用金属中で最軽量、かつ優れた比強度・比剛性を有するため、軽量化を担う構造材料としての適用が期待されていますが、室温域での乏しい成形性のために幅広い実用化には至っていません。これは、Mgの結晶構造が六方最密(HCP)構造であるために主すべり系である底面すべりと等価なすべり系が少ないことに起因します。一方、Mgにイットリウム(Y)を添加したMg-Y合金では、室温域で非底面すべりが活性化され、延性が改善されることが報告されています。Mg-Y合金において観察された多くのI1積層欠陥と<c+a>転位痕から、I1積層欠陥が<c+a>転位の転位源として作用し、その結果、延性が改善されると考えられています。しかし、I1積層欠陥が欠陥核形成において果たす役割は十分に理解されていません。本研究では、MgのI1積層欠陥が欠陥核形成において果たす役割を明らかにするために、I1積層欠陥近傍の応力状態を考慮した分子動力学(MD)シミュレーションを行いました。その結果として、本研究は、I1積層欠陥近傍での欠陥核形成過程が応力状態によって異なり、<c+a>転位と関連する一次錐面および二次錐面に対する分解せん断応力が最大となる場合、I1積層欠陥端部から<c+a>部分転位が生成することを示しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

発表会場

今回の国際会議の口頭発表は、私にとって初めての英語での発表でした。また、発表を行った会場は、私が事前に想像していたよりもはるかに広く、とても緊張しました。そのせいか、発表後の質疑応答では、質問者の質問の意図を正確に理解することができず、十分な回答をすることができませんでした。

国際会議中のコーヒーブレーク時間には、台湾や韓国の大学生の方と簡単なコミュニケーションをとる機会が多々あり、多くの国際交流の機会に恵まれました。

学会全体を通して、自分の英語能力を改めて知ることができました。英語能力を磨いていく上で自分に足りていない部分を明確にすることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

最後に、この度の国際会議の参加に際して、多大なご支援をいただいた貴財団に心より感謝申し上げます。

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