国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
谷口 尚也
(宇都宮大学)
会議名
SPIE Photonics West 2020
期日
2020年2月1日~6日
開催地
The Moscone Center, San Francisco, California, United States

1. 国際会議の概要

会場外観

SPIE Photonics Westは国際光工学会 (The International Society for Optical Engineering, SPIE) が主催する、光学分野において最大規模の国際会議である。本会議には20,000人を超える参加者が集まり、BIOS、LASE、OPTOの3分野に大別される約5,000件の研究成果が報告された。会場では同時に大規模な展示会が開催されており、世界各国の企業による最新技術を用いた製品が展示され、産業的にも関心が高いイベントであることが窺えた。次回は来年1月末に同会場での開催が予定されている。

2. 研究テーマと討論内容

ポスター発表会場

本国際会議において、“Optical separation of data pages with crosstalk in holographic data storage using a holographic optical element” という題目でポスター発表を行った。本研究で取り上げるホログラフィックメモリは高密度かつ大容量のデータストレージとして期待される光メモリである。しかし、光の干渉を用いて情報を記録する原理からノイズが再生データに重畳し、エラーを増加させるため記録密度の向上を妨げている。先行研究では解析的にノイズ成分を低減する手法が報告されたが、データのピクセル数と記録数に応じた膨大な計算コストの課題が提示された。本研究ではこの計算コストの課題に対し、新たなホログラフィック光学素子の導入により光学的に演算を行うことで実時間でのデータ分離を行うことを検討している。本会議では提案法の概要と原理の検証結果を紹介し、主に実現可能性について意見交換を行った。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本国際会議は光学に関する大規模な会議であり、ポスター発表であったためか多様な専門分野の方と議論を行う機会に恵まれた。私自身も多岐にわたる光学分野の発表を聴くことで、最新技術や研究動向について知見を広めることができた。また、初めての国際会議への参加であり、質問に対し英語で正確に答える難しさを痛感した。以上の経験より、研究のみでなく英語でのコミュニケーションについて学ぶことができ、非常に実りの多い学会であったと感じた。

最後に、本国際会議に参加するにあたり、多大なご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

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