国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
松浦 寛恭
(千葉大学 大学院融合理工学府 先進理化学専攻)
会議名
The 19th International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications (Power MEMS 2019)
期日
2019年12月2日~6日
開催地
Kraków, Poland

1. 国際会議の概要

今回参加した「Power MEMS 2019」は、2000年に発足し、今回で 19回目の開催を迎える。本会議は、発電技術に関する世界最大の国際会議の一つであり、様々な国からこの分野の専門家が集い、議論が行われる。そのため、発電技術に関して国内外の専門家と議論ができる貴重な学会である。会議の扱う領域は、マイクロ・ナノスケールでのエネルギー変換技術全般であり、基礎研究から応用まで幅広く取り扱っている。今回の会議では、約200人の参加者が出席し、67件の口頭発表と68件のポスター発表が行われた。さらに、学会の初日には「Power MEMS School」と称した発電技術の概要を学ぶことができるレクチャーが設けられ、この分野に関して経験の浅い学生や研究者が発電技術に関する知見を得られるような配慮がなされていた。

クラクフの街並み

学会が開催されたホテル

2. 研究テーマと討論内容

本学会において、「Stability improvement against light irradiation by dye doping in self-assembled electret-based vibrational energy harvester」というタイトルで、ポスター発表を行った。

ポスター前にて

IoTセンサー用の微小電源として、環境の振動から電力を得るエレクトレット(分極や電荷を保持する物質)を内蔵する振動発電器(VEG)に関して盛んに研究が行われている。一方で、エレクトレットの作製には荷電処理が必要であり、低い生産性が実装への障害となっていた。そこで、我々の研究グループでは、これまでに極性有機分子の自発配向分極現象を応用した荷電処理を必要としないエレクトレット(Self-assembled electret (SAE))を提案し、課題の解決に努めてきた。SAEはVEGの生産性の向上につながると期待されるが、光に対する安定性が低く、実用化へ向けての課題も残されている。そこで、この課題を解決するために、単一材料からなる薄膜であった従来のSAEに色素分子をドーピングし、光に対する安定性を向上させた新たなSAEに関して発表を行った。

荷電処理を必要としないSAEの利点を理解していただき、安定性が向上したメカニズムや濃度の最適化に関して多くの質問をいただいた。また、デバイス構造や評価方法等に関してのアドバイスもいただくことができ、今後の参考にしていきたい。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

Power MEMS 2019へは、昨年に続いて2回目の参加となった。昨年は初めての学会参加だったこともあり、緊張から上手く返答できない場面もあったが、今回は、多くの研究者との有意義な議論を行うことができ、大きな自信を得ることができた。一方で、同じ言葉を何度も使ってしまうなど、語彙力の低さを痛感し、単語力を磨く必要があると感じた。

バンケット会場

学会全体を通して、エナジーハーベスティング分野の最新の研究動向を得るだけでなく、自身の研究に関して意見をいただける貴重な経験となった。また、他大学に在籍する同世代の学生と交流する中で、これからの研究活動に対するモチベーションが高まった。本学会でできたつながりを大切にし、互いに刺激しあい、高めあえるような関係を築いていきたいと思う。

以上のように、本学会に参加し、国内では得られない有益な経験を積むことができた。最後に、Power MEMS 2019参加に際し、多大なご支援をいただいた貴財団に心より感謝を申し上げる。

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