国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
荒木 雄介
(慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学専攻)
会議名
The 2nd Pacific Rim Thermal Engineering Conference (PRTEC2019)
期日
2019年12月13日~17日
開催地
Hyatt Regency Maui Resort & Spa, Maui, Hawaii, USA

1. 国際会議の概要

環太平洋熱工学会議(PRTEC)は日本機械学会(JSME)、韓国機械学会(KSME)、および米国熱流体学会(ASTFE)の連続会議として、ハワイのハワイ島(2016)で第一回が開始されました。PRTECシリーズの重要なテーマは、熱工学の未来に向けたビジョンを持つ「基礎」、「学際」、「多様性」です。

PRTECシリーズの第2回会議(PRTEC2019)は、ハワイのマウイ島で開催されました。PRTEC2019では、将来の熱工学に関連する新しいアイデアと方向性の交換と、この分野での最新の研究発表のための国際フォーラムが行われました。

学会会場 (Hyatt Regency Maui Resort & Spa)

2. 研究テーマと討論内容

「Thermal Properties at the Micro/Nano-scale - Molecular Simulations -」というセッションで、私は「Formation Process and Self-Assembled Structure of Tetrapod Nanoparticles using Dissipative Particle Dynamics Simulation」というタイトルで口頭発表を行いました。

口頭発表の様子

私が発表した研究テーマはナノ粒子の自己集合の制御です。我々の身の回りの機能性材料(洗剤、タイヤ、化粧品など)は、分子やナノ粒子が自発的に集合(自己集合)することで、製品としての機能性を発現しています。自己集合を制御することは、所望の性能を持った製品をつくるために、非常に重要な課題です。現代では、様々なナノ粒子や分子を合成することができるようになった結果、それらの自己集合を利用して、既存の製品のアップデートおよび、新しい機能性材料の開発が期待されています。

本研究では2017年に報告された両親媒性テトラポッドナノ粒子の自己集合をもとに、これを制御する研究を発表しました。両親媒性テトラポッドナノ粒子は非常に複雑な自己集合をすることで注目を集めており、センサーや光触媒、太陽光発電への適用が期待されています。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本国際会議に参加し、学生でありながら他の研究者と同じ土俵で発表させていただけたことに、私は非常に光栄に思いました。発表・質疑応答の20分間を通して、反省する部分が多々見つかりました(類似研究の調査、英語能力、プレゼン能力など)。しかし、今経験できたことに意味があるとポジティブに考え、次に活かす心持ちです。

またこの学会では発表以外にもほぼ毎日、10人以上の様々な研究者とご飯を共にしながらディスカッションさせていただきました。これらは非常に刺激的でした。

このような貴重な経験をするにあたり、ご支援いただいた丸文財団様に心より感謝申し上げます。

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