国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
于 安水
(九州大学 大学院芸術工学府)
会議名
24th International Conference on Pattern Recognition (ICPR 2018)
期日
2018年8月20日~24日
開催地
中国・北京市朝陽区・中国国家会議中心

1. 国際会議の概要

パターン認識国際会議 (ICPR) は、パターン認識国際連盟 (IAPR: International Association for Pattern Recognition) の旗艦国際会議であり、2年に一度開催されている。1973年の第1回から当会議で24回を迎えるパターン認識研究分野で最も歴史がある世界最大の国際会議である。パターン認識技術の研究水準では、日本は、質的・量的に世界でトップクラスにある。パターン認識技術は、さまざまな知的情報処理技術の基盤となっており、情報処理分野全般への波及効果も大きいものと考えられる。次回は2022年にイタリアのミラノで開催予定である。

2. 研究テーマと討論内容

本学会では、“Foreground Enlargement of Omnidirectional Images by Spherical Trigonometry”というタイトルで発表を行った。画像リターゲティングの既存手法は、いずれも一般の画像を対象としている。本発表では、全天周画像のためのリターゲティング手法を提案する。本手法は、画像のサイズ・アスペクト比を変更する際に前景領域を相対的に相似拡大することで画像の視認性を維持・向上させる点では、既存の画像リターゲティング手法と同じである。しかし、本手法は、既存手法と異なり、デバイス変更への適応を目的とはしていない。全天周画像は、特に屋外シーンの場合、背景の占める割合が大きく視認が困難な場合が多い。この問題に対処するため、本手法は画像リターゲティングによって全天周画像の前景拡大(foreground enlargement) を行う。画像リターゲティングの既存手法は、離散的手法と連続的手法に大別できる。本手法は後者に属し、トリミングされた全天周画像に対して球面三角法に基づく球面多角形間の点対応を用いてリターゲティングを行う。実画像を用いて実験を行い、本手法の有効性を確認した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

比較的気軽な雰囲気な中で会議が行われた。本国際会議に参加した率直な感想として、国籍を問わず多くの参加者と意見を交換することができた。企業からの参加者や異分野からの参加者が多く、大学内では得ることが難しい貴重な情報を得ることができ、セッション中には様々なバックグラウンドを持つ参加者の方々との議論ができ、大変貴重な経験となりました。非常に意義深く感じたことを挙げておきたい。

最後に、本国際会議への参加にあたり、多大なるご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

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