国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
田上 哲史
(宇都宮大学)
会議名
SPIE Photonics West 2019
期日
2019年2月2日~5日
開催地
The Moscone Center San Francisco, California, United States

1. 国際会議の概要

会場の様子

SPIE Photonics westは、アメリカ・サンフランシスコで毎年開催される光学に関する国際会議であり、主にBIOS, LASE, OPTO(バイオフォトニクス、レーザー技術、光エレクトロニクス)の分野に分かれている。約5,000件を超える最新研究の発表が繰り広げられ、約1,300もの企業が世界中から参加する最大級の国際会議である。今年は2月2日から7日まで会場のThe Moscone Centerで行われた。今年はMR, AR, VRに関する特別講演や商品デモが行われており、最先端の技術に触れる機会も得られることができた。

2. 研究テーマと討論内容

発表の様子

私はOPTO分野のUltra-High-Definition Imaging Systems II のセッションにおいて "Investigation of correcting errors in holographic data storage by light propagation analysis" という題目で口頭発表を行った。私はこのセッションで、UHD(超高解像)イメージを保存するための高密度大容量ストレージとして、ホログラフィックメモリを紹介し、光電磁場解析を用いたエラー補正についての研究を発表した。ホログラフィックメモリとはホログラフィ技術を用いて情報の記録を行うストレージであり大容量が期待されているが、ノイズの存在が再生データのエラーレートを増加させ、記録密度の向上を妨げる要因になっている。しかしながら、これらのノイズは確実に生じ、発生原因から無くすことは非常に困難である。そこで、ノイズを解析しそれを低減する方法を提案した。そのノイズは情報の記録と再生の過程で発生するものであるため、光電磁場解析を行いノイズ成分の伝播を数式的に表すことでその逆伝播が計算できその成分を除去することができると考えた。具体的にはメモリ内の波動方程式を解く必要があるが、複雑な形であるため非常に困難である。私たちはパラメータで方程式を展開することによって解く方法を提案した。この方法を用いて、従来法との比較を行い、記録密度向上のための記録条件の検討を行った。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

会場のあるサンフランシスコの街

私自身この国際会議は2度目の参加であったため前回と比べて大きな不安はなかったが、前回はポスター発表であったのに対し今回は口頭発表であったので非常に緊張して臨むことになった。私の研究内容は参加したセッションのメインとなるテーマとは少し離れていたが、質問もあったため興味を持ってくださったと感じた。また他研究者の内容も聞くことができて有意義な時間になった。全体として、英語でのコミュニケーションに不安を感じたが、英語力を向上させたいという目標を見つけられたことや、また英語の発表資料や話し方など参考になることを多く学べた機会となった。

今回の国際会議への参加は私にとって非常に有意義なものとなりました。このような機会と多大なるご支援をいただきました貴財団に深くお礼申し上げます。

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