国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
坂口 卓矢
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻)
会議名
The 37th annual International Congress on Applications of Laser & Electro-Optics 2018 (ICALEO 2018)
期日
2018年10月14日~18日
開催地
Orlando, Florida, USA

1. 国際会議の概要

International Congress on Applications of Laser & Electro-Optics (ICALEO) はLIA (米国レーザー協会) の主催により年1回開催される、レーザー加工分野において世界最大級の国際会議である。第37回目となる本年は、LIA創立50周年ということもあり、LIAが誕生した米国フロリダ州のオーランドにて、10月14日から10月18日までの5日間にわたり開催された。

レーザー加工に関する興味深い講演が多数件あり、3D金属積層造形 (SLM) やナノ周期構造など近年注目されている技術に関する講演も充実していた。

会場外観

会場の様子

2. 研究テーマと討論内容

今回、“White Marking inside the Transparent Plastic Materials by 1.55 µm Nanosecond Pulse Fiber Laser”という題でポスター発表を行った。

ポスター発表の様子

プラスチック材料は、多くの利点を有しており、現在、プラスチック材料へのマーキング方式はインクジェットまたはスタンプなどが利用されている。しかし、これらの方式により材料表面に印字されたインクは摩耗あるいは溶剤により消失する可能性がある。我々の研究ではこれまでに、パルスレーザーを用いることにより白または黒のマーキングが可能であることを実証してきた。しかし、開発した白色マーキングは、材料表面まで加工が及んでいるため劣化する可能性があった。そこで、プラスチック材料内部に白色のマーキングを生じさせることを検討した。プラスチック材料を加熱するとボイドが発生し、そのボイドは光の散乱により白く見える。このことを利用し、材料を加熱しながらレーザーを照射し、集光位置のみボイドを発生させ白いマーキングを可能にした。

本発表では主に2件の質問をいただいた。1つ目はレーザーのパラメータに関する質問、2つ目に他材料についての質問であり、多くの研究者に関心を持っていただけたと感じた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本会議において、多くのレーザー加工に関する講演を聴くことにより、最先端の研究の動向だけでなく、我々が使用しているレーザーのさらなるアプリケーションを考える良い機会となり、今後の研究活動に大いに活用したい。 ポスターセッションでは、私の拙い英語にも耳を傾けてもらえ、自身の研究に近しい研究をされている海外の研究者と議論を交わすことができたことは大変良い経験であった。

この度の国際会議参加にあたり、貴財団には多大な御支援をいただきました。
心より御礼申し上げます。

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