国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
齋藤 健人
(東京電機大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻)
会議名
Pacific Rim Symposium on Surfaces, Coatings & Interfaces (PacSurf 2018)
期日
2018年12月2日~6日
開催地
Waikoloa, Hawaii, United States

1. 国際会議の概要

本学会は、2018年12月2日から6日まで、アメリカ合衆国ハワイ州ビッグアイランドのワイコロアビーチマリオットリゾート&スパで開催された。主催であるAmerican Vacuum Society, Inc. (AVS) は1953年に高真空技術を議論するために組織され、現在では材料、界面加工技術を中心にナノメートルオーダーの科学技術やバイオマテリアルなど様々分野へ広がっている。PacSurf 2018では、バイオマテリアルの表面と界面、エネルギーハーベスティング&ストレージ、ナノマテリアル、プラズマ処理、および薄膜について活発な議論が行われた。また、各セッションの合間の休憩時間では様々なバックグラウンドを持った発表者や聴講者の間で積極的な交流が行われた。

2. 研究テーマと討論内容

発表題目:Effect of amino modification on photovoltaic performance of silicon/polymer solar cells with porous desert structures

シリコン(Si)/有機ポリマー太陽電池において、種々のテクスチャー構造が検討されている。我々の研究グループでは、フッ化水素酸(HF)/硝酸(HNO3)とリン(P)粉末を密封容器に封入することによってSi基板になだらかな凹凸構造(デザート構造)が形成されることを確認した。この構造は、表面積増加に伴う pn界面の増大が期待できるが、光反射率低減効果にはあまり寄与しないことがわかった。そこで、デザート構造表面に微細な細孔を形成することによって、光反射率低減効果を付与したポーラスデザート構造を作製した。しかし、構造が微細ゆえにポリマーが細孔内部まで浸透しない問題を抱えていたため、今回、我々はシランカップリング剤を用いたアミノ基修飾によってSiとポリマーの親和性向上を図った。本発表では、親和性向上によるポーラスデザート構造のセル性能への影響について検討し、アミノ基修飾を施していないデバイスと比較して約45%電力変換効率の向上を示した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

自身の研究内容を第三者からの質問や意見交換を行うことにより、知識をより深めること、新たな課題を発見することができた。具体的にはSiとポリマーの密着性についての議論から密着性改善についての新しいアプローチの提案をいただき、研究を進める上で非常に有意義であった。意欲的にコミュニケーションをとることにより、研究に関する情報はもちろんのこと、英語による対話なため、文法力や単語力、リスニング力など英語力を養うという点も重要視するように意識して臨んだ。また、滞在中は異文化理解に努め、現地の人々とも積極的にコミュニケーションを図り、国際交流の意義を実感することのできる渡航となった。

最後に本学会への参加を援助してくださった貴財団に厚く御礼申し上げます。

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