国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成30年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
紀本 夏実
(金沢大学 医薬保健学総合研究科)
会議名
European congress of radiology (ECR 2019)
期日
2019年2月27日~3月3日
開催地
Vienna, Austria

1. 国際会議の概要

図1 会場ラウンジの様子

European congress of radiology (ECR)は毎年ウィーンで開催される欧州最大の放射線医学に関する学会です。今年(2019/2/27-3/3)は約3万人の医師、放射線技師、企業関係者、教育機関などに所属する教員や学生が参加し、セッションやワークショップ、電子ポスターなどを通して活発な意見交換が行われていました。ラウンジには今年のシンボルであるタコが展示されていて、非常にデザイン性の高い、賑やかな雰囲気のある学会でした。

2. 研究テーマと討論内容

私は“Effective atomic number image produced with energy-resolved photon counting detector toward the development of next-generation plain X-ray diagnosis”という題目で8分間の口頭発表を行いました。内容は、組織の物理的な解析結果(実効原子番号)を解析する手法の提案と、試作機で取得した実効原子番号画像の評価です。医療X線画像診断において、従来のグレースケールのX線画像に加えて、この実効原子番号画像を臨床応用することができれば、病変などを定量的に分析することが可能となるため、新しい診断法の確立や診断能の向上に繋がることが期待されます。本学会は医療関係者の方が多く参加するため、提案画像を全面的にアピールする形で発表を行いました。私の発表に対しては同じ分野で研究発表をしていた医師の方にも興味を持っていただき、セッション終了後に、提案するアルゴリズムの具体的な中身の話から、臨床応用に向けてのアプローチなど今後の研究の発展に向けた有意義な議論を行うことができました。口頭発表後にこのような経験をしたのは初めてだったので、研究を進める上で自信になりましたし、モチベーションも上がりました。

図2 口頭発表の様子

図3 発表後のディスカッションの様子

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

ECRでは多くの医療機器メーカーが最新機器を実際に展示してデモンストレーションや講演を行っていました。私の研究は企業との共同研究としても遂行しているため、他社製品との区別化という産業的な要素も意識しながら最新の情報を収集しました。本学会への出席は、自身の研究の世界的な位置づけを確認する良い機会になりました。

図4 機器展示会場の様子

私はECRへの参加は2度目になります。前回は電子ポスター発表だったのであまり不安はありませんでしたが、今年はとても大きな会場・スクリーンでの口頭発表だったので非常に緊張して臨みました。発表を通して英語能力向上の必要性を痛感し、また他の演者の方の発表を聞いて資料の作り方や話し方など多くのことを学ぶことができました。来年も同じ場所で進展した最新の発表ができるように研究成果を継続して出していきたいと思います。

最後になりましたが、本学会へ参加するにあたり、国際交流助成金を交付していただき本当にありがとうございました。

平成30年度 国際交流助成受領者一覧に戻る

ページの先頭へ