国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成29年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
岡田 和也
(秋田県立大学 大学院システム科学技術研究科 機械知能システム学専攻)
会議名
第31回 ヨーロッパコロイド界面科学国際会議 (ECIS2017)
期日
2017年9月3日~8日
開催地
スペイン・マドリード マドリード・コンプルテンセ大学

1. 国際会議の概要

ECIS2017は、ヨーロッパのコロイド界面科学分野の最高峰の学会であるECISが主催し、毎年開催される主要なコロイド界面科学の国際学会であり、ヨーロッパの研究者以外に米国や日本から多くの一線級の研究者が一堂に会して、情報の交換・研究発表を行う。参加者は、約300~500名である。応用面の研究も多く発表されるので、工学系の研究者も非常に貴重な情報収取が得られる。

今年のECIS2017は、スペインのマドリードで2017年9月3日~9月8日まで開催された。口頭発表およびポスター発表での全ての参加者は、約500名である。

私は、キューブ状磁性粒子に関するシミュレーション的な研究を行っており、今回の学会では、キューブ状粒子に関する実験およびシミュレーション的な研究の発表を聞くことができた。

2. 研究テーマと討論内容

研究テーマ:
3D Monte Carlo simulations on a regime change in the internal structure of the aggregates of magnetic cubic particles

討論内容:
一般的な形状の磁性ミクロ・ナノ粒子は、機械工学の分野に限らず、あらゆる学際領域において、応用が期待されている。従来から行われている研究は、球状粒子を母液に懸濁したコロイド分散系を対象とするものが主であった。しかしながら、磁性粒子の調製法の技術開発の進展に伴い、現在では、棒状粒子、扁平粒子、キューブ状粒子などの分散系の調製が可能となっている。従って、このような非球状粒子でのシミュレーション的研究が必要である。本研究では、熱力学的平衡状態にあるキューブ状ヘマタイト粒子を対象とし、粒子間磁気力の大きさおよび印加磁場の強さを変化させ、粒子の凝集形態がどのように変化するのかをモンテカルロ・シミュレーションにより検討した。内部構造の定量的な評価としては、秩序パラメータや配向分布関数などを用いて評価した。

発表後には、シミュレーション結果に関することだけでなく、シミュレーション・プログラムをどのように構築しているのかなどの質問をいただいた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

国際会議のポスター発表は、今回が初めてなので、とても緊張しました。ポスターセッションでは、自身の研究に興味を持った人が発表を聞きに来てくれるため、とても嬉しく感じたが、自身の英語のスキルがまだ十分でないため、質問がうまく聞き取れなかったり、うまく説明をすることができなかった発表がありました。言葉でうまく表現できなかった部分は、図を紙に書くことにより説明をしました。口頭発表とは異なり、質問に受け答えしながら発表を行うためとても難しかったです。

会場では、日本の他大学の博士課程の学生に特別研究員に関する話を聞くことができました。私は、来年から博士後期課程に進学するため、非常に貴重なお話でした。

最後に、このような貴重な経験をするにあたり、ご支援をいただいた丸文財団様に心より感謝申し上げます。

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