国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成25年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
柴田 洋輝
(神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻)
会議名
2013 Materials Research Society Fall Meeting
期日
2013年12月1日~6日
開催地
The Hynes Convention Center, Boston, Massachusetts, USA

1. 国際会議の概要

会場のHynes Convention Center

MRS Meeting は、材料系の最大規模の国際会議で、その対象分野は多岐にわたります。現在、70か国、16,000人以上の会員から構成されています。1973年の設立以降、年に2回のペースで、毎回数千件の発表が行われています。

今回の2013 Fall Meeting はアメリカ、マサチューセッツ州のボストンで、12月1日から6日までの期間で開催され、6,000人以上の参加者を集めました。幅広い研究分野のトピックに関して活発な議論が交わされました。次回の2014 MRS Spring Meeting は、2014年4月21日~25日の日程でカリフォルニア州、サンフランシスコで開催される予定です。

2. 研究テーマと討論内容

今回は、誘電体多層膜粒子を用いた三次元フォトニック結晶の作製に関する研究について、「Control of Photonic Mode Density inside a Core of a Multi-Layered Dielectric Sphere」というタイトルで口頭発表を行いました。我々はこれまで、新規構造の3次元フォトニック結晶として、誘電体多層膜粒子に関する研究を行ってきました。この粒子は、高、低屈折率層の誘電体シェルを交互に積層した構造をしており、その膜厚が光の波長程度の厚みの時、コア内部に3次元的に光を閉じ込めることができます。その構造の対称性より、従来の3次元フォトニック結晶よりも幅広いフォトニックバンドギャップを実現でき、設計次第で高いQ値を実現できる可能性を持つ粒子です。光の波長程度の厚みの誘電体多層膜粒子による光の状態密度制御はこれまで実験的に報告されておらず、本研究独自の試みとなります。今回はこの多層膜粒子による光制御特性を理論的、実験的に実証することを目的としました。理論計算により、この構造による光の状態密度制御が可能であることを示し、実際に3層構造の粒子を作製し、その発光特性が理論計算と一致することを示しました。以上内容を本国際会議で報告しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

会場内部

私の発表に関しては、研究対象の多層膜粒子の構造の独自性やトピックに関する興味から、たくさんの方に興味を持って聞いていただけました。聴衆の方々の質問より、私の研究の理解されにくい部分、今後さらに修正しなければならない部分に気付くことができました。また、世界的に著名な先生方のプレゼンテーションを聴き、高度な討論を直に聴くことにより、研究に向かうモチベーションをさらに向上させることができました。他の発表に関しては、私の研究とも関連のある微粒子の作製方法に関する研究に興味を持ちました。世界的な研究動向を知ることができ、私自身の研究の新たな方向性も見出せました。世界の研究機関の中での私たち自身とその研究の位置づけをはっきりと理解することができ、有意義な経験になりました。

最後になりましたが、本国際会議への参加にあたり多大なるご援助を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

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