国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和5年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
上田 涼雅
(近畿大学 大学院総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻)
会議名
Laser Symposium & International Symposium Additive Manufacturing 2023
期日
2023年11月29日~12月1日
開催地
ドイツ連邦共和国、ザクセン州、ドレスデン、ドイツ衛生博物館

1. 国際会議の概要

Laser Symposium & International Symposium Additive Manufacturing 2023 (Laser Symposium & ISAM 2023) はFraunhofer IWSが主催する国際会議であり、2023年11月29日から12月1日にドイツ・ザクセン州のドレスデンにて開催された(図1)。

Laser Symposium & ISAM 2023はレーザーの開発及び産業用途への応用における最新の開発と課題に関する研究発表を行うLaser Symposium及び、レーザーを用いた3Dプリンティングに関する研究発表が行われるISAM 2023に大別されており、私はISAM 2023におけるPOSTER SESSIONにてポスター発表を行った。ドイツで開催された国際会議かつFraunhofer IWS主催のため、Fraunhoferに所属している方の参加者が多かった。また、1日目はFraunhofer IWSの研究所の見学が夕刻から実施された。


図1 Laser Symposium & ISAM 2023会場(ドイツ衛生博物館)

図2 オープニングプレナリーの様子

2. 研究テーマと討論内容


図3 ポスター発表の様子

私は「Development of Blue Diode Laser Induced Powder Bed Fusion for 3D Fabrication of Nickel-Based Alloy」と題し、ポスター発表を行った。3Dプリンティングの一つである粉末床溶融結合法では、近赤外線領域の波長を持つレーザーが用いられているが、従来用いられていた近赤外線領域の波長ではレーザーの金属に対する光吸収率が低いため、造形の効率が悪いといった課題があった。そこで、近赤外線レーザーと比較し、高い光吸収を持つ青色半導体レーザーを用いて、ニッケル基合金の積層造形を実証した。さらに、従来の近赤外線領域のレーザーと比較し、波長の違いが積層造形に及ぼす効果を明らかにすることを目的とした。発表では機械特性に関する質問が多かった。今回は主に積層造形に要するエネルギー量の比較目的としていたため、今後は、機械特性の調査を行う。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

私は海外で開催された国際会議に初めて参加し、多くの海外の研究者と交流することができた。ポスター発表では初めて英語で発表を行う機会となり緊張したが、同じ分野で海外の研究者と英語で意見を交換できる面白さや他の研究者が行っている研究との方向性の違いを学ぶことができた。しかし一方で、質問や意見を聞き取れないこともあり、深い議論が難しく、言語の壁を痛感した。また、会議期間中に、Fraunhofer IWSの研究所を見学し、3Dプリンティングに関して船舶のスクリュー等に使用されるオープンインペラの大型の部品製造やサンプル解析における独自の方法などを教えていただき、日本と比べて3Dプリンティングに関する研究開発を積極的に行っていることを実感した。今回の経験を踏まえて、英語力の重要性や様々な視点で研究を行う必要性を認識することができ、貴重な機会を得られた。

最後に、この度の国際学会の参加にあたり、貴財団からの多大なるご支援をいただいき、心より御礼申し上げます。

令和5年度 国際交流助成受領者一覧に戻る

ページの先頭へ