国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

令和元年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
佐藤 光桜
(東京理科大学 基礎工学研究科 材料工学専攻)
会議名
22nd International Conference on Composite Materials
期日
2019年8月12日~16日
開催地
Melbourne Convention and Exhibition Centre (MCEC), Melbourne, Australia

1. 国際会議の概要

発表会場(Melbourne Convention and Exhibition Centre)の内観

International Conference on Composites Materials (ICCM) は複合材料分野において主要な国際会議の一つであり、2年に1度の頻度で開催される。ポリマーマトリクス複合材、金属マトリクス複合材、セラミックマトリクス複合材など、すべての複合材料を対象とした最先端の研究が集積する。本会議では、複合材の基礎から応用技術まで幅広い研究テーマが15ほどのセッションに分けられ、口頭・ポスター発表あわせて約1,000件の発表があった。また、企業展示では約20社が参加し、最新の複合材を適用した航空機ボディや機械特性測定装置の展示を行っていた。

2. 研究テーマと討論内容

派遣者は“Numerical Simulation of CFRP Transverse Failure Considering Non-Linear Viscoelastic/Plastic Constitutive Equation with Entropy Damage”というタイトルで口頭発表を行った。本研究では、耐熱CFRPの高温耐久性評価のために、あらゆる負荷を受けた場合の耐熱CFRPの強度の数値的予測を行った。まず本研究では、CFRPの構成要素である母材樹脂の温度・時間依存力学特性の把握のために、不可逆的熱力学と粘弾性理論に基づいた粘弾粘塑性構成則を提案した。その後、提案モデルをCFRPのマイクロスケールの数値解析モデルに導入した。様々な温度にて耐熱CFRPの強度を解析上で推定し、その負荷条件に準じた試験結果と比較・検証することで耐熱CFRPの強度を評価した。本研究のメインテーマの一つである粘弾粘塑性構成則の提案方法に関して、いくつかコメントをいただいた。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

発表当日は、上記の国際会議の概要に示す発表会場にて発表を行った。自身の研究テーマは当分野において着手している研究者が少ないため、その情報収集に来た研究者で会場はほぼ満席となった。発表は15分、質疑は5分間と短かかったため、発表後も、国外の研究者の方々と当該テーマに関して議論した。
意見交換の際には、自身が直面した問題に関してアドバイスをいただける機会もあり、大変有意義であった。

本国際会議への参加に際し、一般財団法人丸文財団から多大なるご支援を賜りましたことを、この場を借りて心より感謝申し上げます。

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