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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
矢野 康介
(愛媛大学 理工学研究科 電子情報工学専攻)
会議名 Compound Semiconductor Week 2017 (CSW 2017)
期日 2017年5月14日〜18日
開催地 ドイツ連邦共和国、ベルリン
1.国際会議の概要

Compound Semiconductor Week (CSW) は、International Symposium on Compound Semiconductors (ISCS) とInternational Conference on Indium Phosphide and Related Materials (IPRM) を同時開催した化合物半導体に関する国際会議である。2014年にはフランス、モンペリエ、2015年はアメリカ合衆国、サンタバーバラ、2016年は日本、富山で開催されそれぞれ約450名の参加者を集めている。

今回のCSW2017は、5月14日〜5月18日にドイツ連邦共和国のベルリンで開催された。オーラル、ポスターを合わせて約300のセッションが行われ、高周波デバイスやナノ構造、結晶成長、窒化ガリウムを用いたLEDやレーザなどの分野を対象に活発な議論が行われた。

2.研究テーマと討論内容

GaAsは直接遷移型のバンド構造を持ちその電子移動度から、高速・高効率発光デバイス応用へ有望な材料である。ナノワイヤにおいても室温レーザ発振が確認されている。しかし、GaAsを用いた半導体レーザはオージュ再結合による発熱の問題を抱えている。そこで本研究ではビスマス(Bi)を導入することでこれを抑制し発光効率、温度安定性の向上を目指したナノワイヤを作製し、その作成過程でできたナノワイヤの興味深い構造の観察と結晶構造の解明を目的とし実験を行った。

実験では、MBE法でGaAs/GaAsBiナノワイヤ(Bi成分約1%)とGaAs/GaAsBiナノワイヤ(Bi成分約2%)の2試料を作製し、この2試料において走査型顕微鏡を用いて表面観察を行い、またSPring-8様でお借りしたマイクロビームXRD測定により結晶構造の観測を行った。表面観察の結果からBi濃度約1%のナノワイヤではシャープな側壁形状が見られたが、Bi濃度約2%のナノワイヤでは枝のようなものがたくさん生えた側壁形状が見られた。こちらの試料のTEM/EDX像から、枝の先端でBiが観測された。このことからBiがVLS自己触媒として作用することで高濃度Biナノワイヤには枝が多数生えたものと考えられる。マイクロビームXRD測定結果から低濃度BiナノワイヤではGaAsの結晶とGaAsBiの結晶が垂直方向には伸び、水平方向には縮むように成長することがわかった。高濃度BiナノワイヤではGaAs結晶とGaAsBi結晶が垂直方向と水平方向で格子不整合していることがわかった。このことから歪が緩和し欠陥が多数できていると考えられる。Bi濃度により結晶に欠陥が発生することはわかったが、その限界の濃度については今後の研究課題である。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回が初めての海外渡航、国際会議であったため全てのことが初めての経験であり貴重な時間を過ごすことができた。日本の他大学の学生さんだけでなく海外の学生さんと会話する機会も多くあった。自分は拙い英語とジェスチャーを用いたコミュニケーションであったが互いに通じ合い、記念写真を撮影した際は本当に感動した。同時に、彼らのことをもっと知りたいもっと彼らと話したいと思った。その為には自分の言いたいことを表現する英会話のスキルが必要であり、帰国してから勉強したいと強く思った。

自分の興味がある分野の先端研究をされている方々の講演を聴講することができ、自分の研究に関する視野を広げることができた。また、非常に活発な質疑応答から熱意や大きな意欲を感じ今後の研究に対する大きな励みとなった。

最後に、本国際会議に参加するにあたり支援をしていただいた一般財団法人丸文財団様に心より感謝いたします。


≪ベルリン大聖堂≫

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