国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成28年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
近藤 正
(徳島大学 先端技術科学教育部 システム創生工学専攻)
会議名
European Conference on Integrated Optics 2016 (ECIO 2016)
期日
2016年5月18日~20日
開催地
Centre for Innovation and Technology Transfer Management, Warsaw University of Technology, Walsaw, POLAND

1. 国際会議の概要

European Conference on Integrated Optics 2016 (ECIO 2016) がワルシャワにおいて5月18日~5月20日までの間、開催されました。本会議は、光通信・光集積デバイスに関する最新技術の研究報告が1981年からヨーロッパで原則隔年開催されている会議です。

本会議へヨーロッパを中心に26カ国143人が参加し、招待講演27件、口頭発表47件、ポスター発表46件でした。SKKP、CEZAMAT、CZIiTT、EPICが協賛となって行われています。

2. 研究テーマと討論内容

研究テーマ:
Proposal of Optical Thresholder Consisting of Two MZIs with Nonlinear Micro-Ring Resonator

討論内容:
光閾値素子は、通信処理を光信号のままで全て処理できる全光システムの実現において重要な要素の1つであると考えられています。本研究では、これまで報告されている非線形マイクロリング共振器を用いた非線形素子に位相シフタを加え縦続に接続することでより良い閾値特性を得られることを見出し発表しました。光カー効果による非線形特性により閾値特性を得ることができます。マイクロリング共振器の半径やマイクロリング共振器と直線導波路との結合比を調整することでより理想に近い閾値特性をえることができます。また、提案した閾値素子の応答速度についても議論しました。非線形マイクロリング共振器を用いた閾値素子は主にリング共振器での応答速度で決定されます。応答速度は素子のパラメータを調節することで40GHzの速い速度を得られることを示しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回の国際学会では光集積デバイスに関する研究の報告会でした。私の研究も光集積デバイスの1つを研究しております。マイクロリング共振器を用いた光集積デバイスについて数多く報告されマイクロリング共振器を用いた研究をしている私にとって非常に実りある学会であったと深く実感しています。質疑応答では非線形材料の中で何を用いるのか質問され集積化を想定した際に集積化が容易であるシリコン(Si)と応えました。また、ポスターセッションでは自分が行っている研究以外を聞くことで知見を広げることができました。

英語での質疑応答の難さを感じ私自身の英語力の乏しさを改めて痛感しました。しかし、ガラディナーの際、海外の方に話しかけることで日本国内ではなかなか経験することのできない海外の方と研究の内容を議論やコミュニケーションすることに挑戦しました。今後は今回の学会で得た知見や経験を活かし研究に精進していきたいと考えています。

最後に、本会議の参加にあたり、多大なご支援をいただいた貴財団に心より感謝申し上げます。

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