国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成26年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
Sunatda Arayachukiat
(北陸先端科学技術大学院大学)
会議名
Annual Meeting of Society of Plastics Engineers (ANTEC 2014)
期日
2014年4月28日~30日
開催地
Las Vegas, Nevada, USA

学会参加の目的

本学会はプラスチック成形加工に関する世界で最も大きな学会である。そこで自分自身の研究発表を行い、世界の研究者からその内容に関して意見を伺うことにより、研究をブラッシュアップする。さらに、多くの研究発表を聴講して見識を深めると共に、人的ネットワークの形成を目指す。なお、参加者数の正式な発表は行われていないが、1,000名は超えている。

研究発表の概要

ポリビニルブチラールは非晶性の高分子でありガラス転移温度が60℃程度である。そのため室温ではガラス状態となっている。この材料にごく少量に可塑剤を添加すると、材料表面に可塑剤が局在化し、さらに、表面特有の高い分子運動性により、擦り傷程度であると、室温で放置するだけで修復することが判明した。新しい自己修復性高分子としての応用が期待される。

質疑と応答

質問: 可塑剤の選択はどのように行ったか?
【回答】
現在のところ最適な可塑剤は不明であるが、表面局在化しやすいように適度な相溶性を示す材料が好ましいと考えられる。

質問: 自己修復のドライビングフォースは何か?
【回答】
分子運動による相互拡散である。

その他、10名を超える人から多くの質問を受けた。特に、企業の方からはアプリケーションについて数多くのアイデアをいただき参考になった。

その他

表面局在化やポリマーブレンドの構造制御に関する最新の研究内容を中心に聴講した。自分自身の研究に応用できるような報告が数多くあり、今後の研究指針を得るために役立った。また、カーボンナノチューブ分散系の分子運動性についても聴講し、このような材料が自己修復性高分子へ応用可能であるように感じた。帰国後、実験を行い確認する予定である。

滞在期間中、数多くの先生方と話をする機会に恵まれ、自分の研究を簡潔に要領よく説明する必要が数多くあった。まだ、不十分であると感じている。今後、他人に自分の研究テーマをうまく話をするようトレーニングしたい。

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