国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成25年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
田原 樹
(関西大学 システム理工学部)
会議名
12th Workshop on Information Optics (WIO'2013)
期日
2013年7月15日~19日
開催地
Tenerife, Spain

1. 国際会議の概要

12th Workshop on Information Optics (WIO'2013)では、3次元ディスプレイ、3次元画像センシング、次世代顕微鏡など、光情報処理、情報光学、情報フォトニクスに関する世界中の第一線の研究者が一堂に会し研究議論、技術交流を図る。毎年50~60人程度と、比較的少人数の規模の会議であるが、世界中で招待講演を受けている研究者が集まるため最先端の研究成果を議論・情報収集する格好の機会である。

2. 研究テーマと討論内容

ポスターセッションにて

単一のイメージセンサで深い深度の3次元画像記録可能なディジタルホログラフィでは、イメージセンサの空間密度不足から、単一露光計測しようとすると撮影範囲と空間分解能といった空間情報量が犠牲になる。一般的に、空間情報量を稼ぐとき、複数回露光し時間分解能を犠牲にするアプローチが現在の主流である。しかしながら、動的現象の計測には複数回露光する方法の適用が極めて難しいことが指摘されている。本発表では、時間分解能を犠牲にしないアプローチを念頭に置き、エイリアシング、ディジタル信号の周期性、ディジタル画像処理を積極的に利用することにより、単一露光計測でも記録可能な空間情報量を増大できることを示した。

講演では、”Space-bandwidth extension in single-shot digital holography using spatial carrier”という題目で5分間のショートプレゼンテーションと1時間のポスター発表を行ない、信号理論に基づく提案方法を紹介した。エイリアシングとディジタル信号の周期性を利用するアプローチの珍しさから、ポスターセッションで各国の教授と原理に関する議論を行なえ有意義であった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

WIOへの参加は博士後期課程在籍時と今回とで2回目であるが、教員として参加したこともあり会議で知り合った研究者から激励の言葉を受け大学訪問を呼び掛けられるなど、ネットワークを広げる上で大きな第一歩を踏み出すことができた。また、帰国後も研究に関する話題をメールでやり取りするなど、良好な関係を保っている。研究内容に関して、信号理論をホログラフィへ適用する際の一つの見方を示すことができアピール効果は高かったという印象を得ている。会議参加とは別に、スペイン王国バレンシア州の大学Universitat Jaumeを訪問し研究議論する機会を得られ、海外の研究施設・環境及び研究状況を肌で感じることができた。

末筆ながら、駆け出しの研究者に対し貴重な助成金援助くださりました、一般財団法人 丸文財団に心より御礼申し上げます。また、Universitat Jaume訪問に際しご対応・お世話くださりました神戸大学 的場修教授、京都工芸繊維大学 粟辻安浩准教授、同大学 夏鵬氏、Universitat Jaume Enrique Tajahuerce教授にこの場を借りて御礼申し上げます。

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